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第58回(2004.06.14)
予算との付き合い方 |
◆予算って?
コンサルティングをしていて、プロジェクト予算とは何かとたずねると、表現はまちまちであるが、「原価に利益を加えて、リスク変動分を統計的に吸収した金額」といった類の答えが返ってくる。正しい認識である。
そこで、プロジェクト予算とはどのような目的に使うものかということを聞くと、意外とばらつく。どのようにばらつくかというと、まず、一つはプロジェクトで目的達成のために使えるお金の目安であるという答えがある。二つ目は、コストがオーバーしないようにコストを統制する際の指標として使うという答えがある。三つ目にはプロジェクトの進捗を管理するための指標として使うという答えがある。ほかにもまだあるだろう。
ためしに、周囲の人に聞いてみてほしい。
どれも予算のある面を表しているという意味で正しい。では、プロジェクトをスムーズに進めるという観点から見れば、どのようにみておけばよいのだろうか?答えは3番目、つまり、プロジェクトの進捗を管理するための指標として使うことだ。つまり、リスクがなく、(工数)見積もりが正しいと仮定した場合、予算が計画通り執行されているかどうかが進捗になる。この仮定は多くの場合もちろんナンセンスなのだが、そのことはしばらく脇に置いておく。
◆公共工事の予算
この仮定が成り立つのは公共工事のような場合である。まず、工数見積もりについては、見積もり基準があるので、間違いようがない。ここで、現実とのギャップ云々の議論がでてくる。しかし、それは前提の違いなのだ。つまり、入札(工事の実施)ができる要件として、見積もり基準に則った施工ができることという前提がある。つまり、この前提が守られている限りにおいて、見積もりは常に正しいのである。
なおかつ、公共工事の場合には、基本的にリスクはないと考える。これも見積もり基準がミソなのだが、見積もり基準にリスク分は無条件に含まれている。したがって、リスクなく工事を行ってくれる業者にしか基本的には発注しない。つまり、リスクはないことになる。
ITのように現実適合を基本とする業界では、このような考え方を取り入れてみるのも一つの手である。適合するとは思わないが、改善には大いに役立つだろう。
◆予算はセンサーである
公共工事は極論としても、実際にプロジェクトの進捗をどのように見るかというときに、まず、見るのは予算が計画通り上がってきているかどうかである。
プロジェクトが外部から見えるところはそんなに多くない。中間成果物や働いている人の状況などだ。この中の一つに予算を上げることができる。予算の執行状況を見ていて、たとえば、予定通りに使われていないとすれば、プロジェクトには何かが起こっていることはわかる。
・作業が遅れている
・見積もりと実績がうまくあっていない
など
である。いずれにしても、放っておくとプロジェクトに何らかのトラブルが生じるような状況だ。そこで、詳しい分析に入り、現象を突き止め、しかるべき手を打つ。
さすがに、民間の事業で、見積もりどおりにするのが当たり前だと考えている企業は少ないだろうが、基本的前提は予算と進捗は連動していると考える。予算のあるべき姿としては、はやり、公共事業と同じものではないかと思う。
そのような試みがEVMである。ちなみに、EVMは冒頭の選択して言えば、3つを合わせたものになっている。
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